夏の食生活を考える

 2022/07/18   

 夏だ! 夏大好き! 夏の食生活を最大限有効活用するため、今夏から試験的に取り入れてみたことがいくつかある。台所は秘密基地、冷蔵庫はおもちゃ箱……。7月も下旬に入り、そうした試みがある程度定着しうまく回るようになってきたので、すでに習慣化されていたことも含め、来年の自分への備忘録兼ねて記録する。先に言っておくが、毎日の手間を減らす目的の試行錯誤ではない。夏をしっかり満喫する目的なので、作業量は多い。

 まず、夏前に準備が必要な保存食から。レモンの蜂蜜漬け。前年の冬とか当年の春辺り、一袋3~5個くらい入ったレモンが売られるので買う。皮ごと食べることになるので、ゴシゴシよーーーく洗う。薄い輪切りにして瓶に入れ、蜂蜜を加える。レモンが9割浸るくらい。残り1割はレモンから出る果汁であとから浸かると思う。瓶は冷蔵庫で保管。これでレモンの蜂蜜漬けの始まり始まり。もう翌日から良い感じになるけど、冬の間って特にレモン欲が湧かないので、このまま季節が変わるまで置いておく。冷たい飲み物が嬉しい時期になったら、原液を炭酸水で割って飲む。レモンスカッシュの出来上がり! 私は人工添加物バンザイ・大企業の化学力に感謝人間なので、素材本来の自然なおいしさ方面の指向は持っていない。市販品は絶対に旨いのであり、手作りは単に日曜大工的娯楽に過ぎない。それを踏まえた上でも、市販品と戦えるくらい普通においしいレモンスカッシュができる。レモンはそのままスカッシュに浮かべて食べても良いし、天日干しにしてもグミみたいな食感になっておいしい。ちょっと甘いものが欲しいときにこのグミ風レモンがあるのは嬉しい。完全にぱりっぱりのドライレモンになるまいかと数日干してみたけど、セミドライ止まりだった。
 続いて、正直楽しみ半分面倒臭さ半分だけど、梅雨時期の仕事は頑張る。スーパーに一瞬しか並ばない梅と赤紫蘇をすかさず入手する! これで4品作る。まずは梅の塩漬け、梅酢が上がったら赤紫蘇も入れて。塩漬けの状態で完成としても良いし、梅干しにするなら梅雨が明けてから天日干しする。本当はその後2年くらい置いた方が柔らかくてまろやかで上質になるけど、せっかくの大仕事だしさっさと達成感を味わいたいからすぐ食べちゃう。まあそれなりにおいしい。一緒に漬け込んだ赤紫蘇はできる限り広げて、これも天日干しし、からからになったら粉々に砕いてゆかりふりかけにする。1枚ずつ広げるのは途方もない作業なので、多少香ばしくなっちゃうけど面倒なら炒っても形になる。それから梅酒の仕込み。私は黒糖で作るのが好き。こっちは2年くらい置かないとおいしくならなかった。ということで梅酒(と、欲に勝てるなら梅干しも)については、2年とか3年前のものを食していく循環になる。最後、赤紫蘇で紫蘇ジュースの原液を作る。以上で梅仕事+紫蘇仕事の完了。紫蘇ジュースの出涸らしは刻んでステーキのソースに使ったりしてる。
 同時期にらっきょうも頑張って漬ける。これまた梅雨時期にすかさずスーパーで購入。塩水で下漬けしてから甘酢漬けに。検索すると下漬けの完了までで完成として、刻んで「だし」(山形のあれ)に使ったり炒飯の具に加えたりいろいろと便利に使えるようだ。が、甘酢漬けがおいしいので今のところ全部甘酢漬けにしてしまっている。

 今度は作り置き。家族から、「ボリボリキュウリ」という料理の動画を教わった。

 これをたくさん作る。で消費してく。半分くらいになったらまた作り足して、切らさないようにする。手間のかかる作業じゃないので、気軽に作り足せるのが嬉しい。
 それと、枝豆をまとめ買いして塩茹でにする。なんか最近は塩茹でじゃなく蒸し焼きにするのが流行ってるよね。私は水分多めでしょっぱいのが好きなので、塩茹でにします。手間はかかるけど、莢の両端を切り落として塩水が直接豆に届くようにする。で海水くらいの強気の塩水で茹で、そのまま冷めるまで塩水に入れたまま置いとく。これでしっかりしょっぱくなる。一気にたくさん茹で枝豆を作って、冷凍保存。冷解凍挟むとさらに味がしっかりする。これで夏中いつでも枝豆を食べられるぜ! 枝豆常備システムは最高に満足度高い。
 とうもろこしも塩茹でして冷凍保存する。こちらはそんなにしょっぱくしたくないので、茹だったらすぐ上げる。個人的にとうもろこしの塩茹でを芯のままがりがり食べ進めるのが下手だから、茹でた後に芯から粒を外してしまう。指で1粒ずつ摘まんでむしり取るのを3列くらい頑張ったあと、親指でもしょもしょ倒して外していく。慣れればそんな手間じゃない。この粒々の状態で凍らせる。これがなかなか便利で、そのまま食べたいときは食べたい分だけ解凍してさじで食べれば良い。サラダに足したいときは凍ったままぱらぱら振りかけて、数分置けばすぐ溶ける。ピラフやガーリックペッパーライスを作るときも、炒め上げる数分前にぱっと一掴み加えてお終い。らくちん。

 普段の食卓について。夏だけ特に変えているのは、汁物の作り方。味噌汁が大好きなので朝晩はほぼ欠かさずに飲むのだけど、冬季と同じ作り方はなかなかつらい。暑くてじめじめしてるのに鍋に湯を沸かしてさらに室温と湿度を上げるのは、行者だ。それに、夜たっぷり作って明朝までコンロに置いておくようなことが気軽にできない。傷む。かと言って冷蔵庫にぶち込める容量はない。ということで、夏季はこうしている。味噌汁の具にする食材を切ったら、生のまま顆粒の和風だしで和える。電子レンジ使用可能なタッパに入れて、空焚き・焦げつき防止のためちょろっと水を入れ、チンして蒸す。そしたら具をお椀に移し、味噌・冷水を加え、混ぜて溶かす。最後に氷も入れちゃう! これで冷製味噌汁だ。もともと冷や汁(宮崎のあれ)が大好きなので、冷えた味噌汁に何の抵抗もないからこそできるのかもしれないが。具だけなら汁物ほどは冷蔵庫を占領しないので、まとめてたくさん準備でき、かつ一食分ずつ消費することができる。
 緑茶も水で出してる。これは茶葉によるかも。我が家で使ってる茶葉は出が良いので、急須に水道水をダイレクト注入している。こう書くとまずそうだけど、慣れたら抵抗感よりラクさを優先できる。否、私がその辺ガバガバな自覚はある。今ググった感じ、やっぱ水道水で水出し緑茶するのは「危険?」って単語とセットみたいだし。私は浄水器使ってない上、カルキ抜きとかしなくても平気で飲んでしまうけど、余所の茶葉でやると味が悪くなるのかな。居住地の水質にもよるのかな。わからん。
 普段の食卓というわけではないが、飲み物繋がりで、甘酒の話。市販の甘酒の元を冷水で割って飲んでいる。甘酒って鍋で温めて飲む方法しかしたことなかったけど、家族が「夏は冷製の甘酒が良いらしい」と聞いてきて、試してみたら非常に美味じゃった……。もう欠かせないよ。あっさり飲めて、内臓が冷やされて落ち着く感じ。身近で売ってるやつは1袋が小さくて、2~3杯分くらいしかないから、スーパーに行ったときまとめ買いして常備する。
 それから、あらゆるおかずを冷凍保存し始めた。って夏の食生活に限らないじゃんって話だけど、これは保存目的の他に、冷えた状態がおいしいと気づいたことが大きい。多めに調理し、今食べない分を冷凍保存したら、次に食べるときはただ解凍しただけで、常温に戻したり温めたりせず冷えたまま食べている。ここ数日だけでも振り返ると、昆布の佃煮、とろろ(旬じゃないけど夏の消化器官の味方なので…)、茄子の煮びたし、ニラ玉、ラタトゥイユ。冷えたラタトゥイユは特においしいね。世の中何でもかんでも冷やしたら旨いんじゃないか? さすがに肉・魚は冷しゃぶと刺身くらいしか思いつかないけど、副菜程度の野菜料理には無限に道が広がってる気がする。
 果物の冷凍保存も重宝してる。いろんな果物が出回って楽しいので、極力買う。パイナップルを丸ごと買ってきて、解体してカットパインにして、冷凍。ブルーベリーを買ってきて、そのまま冷凍。バナナを1本ずつ皮を剥いて冷凍。メロンもやった。半解凍でアイスとして食べる。毎晩、デザートに冷えた果物がある生活は嬉しい。ちょっとくらいなら食費も上がらない。

 ここまでやることは多いけど、一度がっつり準備をしてシステムが回り始めたら、なんとなく毎日の手間は減ったような気がする。毎回一品たんぱく質系の主菜を作って、漬物系を出して、冷凍してあるおかずを適当に出して、5分くらいで冷製味噌汁を作ってる。手間が減ったというより、手間のわりに献立が充実する、と言う方が正確かな。
 来年もやるかはわからないけど、今のところ充分に夏を満喫できて楽しいので、行事としては成功と言って良かろう。

-暮らし


ご意見・ご感想

管理人が拝読してから反映します。

CAPTCHA


こちらもどうぞ