インターネット契約を考える

 2022/06/23   

 先日、必要があって我が家のインターネット契約を見直した。これまで家族に任せきりにしていたため、個人ならぬ個世帯的にどことどんな契約を結んでいるか、のみならず、そもそもインターネット契約って何なのか、どうして我が家ではインターネットおよびWi-Fiを使うことができているのか、という基本的な知識から全く欠如していた。PCでのネット使用に関しては、LANケーブルでの有線接続っていう選択肢があるのでなんとなく直感的に使えてたんだけど、無線接続に関しては、Wi-Fiの存在をちゃんと認識したのが2020年12月だったからね! 人より10年遅いんじゃないか。それまでも自宅でWi-Fi飛ばしてたにもかかわらず(それも、あとで詳しく話すけど、わざわざルーターレンタル代を毎月課金して…)、何の疑問もなくスマホはモバイルデータ通信でネット利用して、一月で5GBとかやって相応に料金払ってた。無知は財布の穴よ……。無知はカモよ。もとい、先に述べたネット契約を管理していた家族はある程度ちゃんと理解してたので、あれこれと質問攻めしながら教わってたのだけど、ただやっぱり家人でも把握しきっていない部分はあって、そこはネットで知識を仕入れることになった。
 目的は「自分の契約内容を理解する」これだけだったんだけど、調べ始めたらまーーーーあエライ苦労した。なんて複雑な迷宮に足を踏み入れてしまったんだろう。こんなに複雑なことを、そこら辺の市民一般が全員理解して契約しているというのか? 否、こんなことだからネット契約に関するトラブルがめちゃくちゃ多いんじゃないのか。今やインフラであるインターネット、とてもスマホのモバイルデータ通信だけじゃやっていけないのに、そのネット契約自体の下調べを含めて、開通まではモバイルデータ通信を使わざるを得ない。時間も“ギガ”もかけたくない! ってことでよくわからないまま急いで契約しちゃうんじゃないか。下調べしたところでアフィばっかだし。こういうときってYahoo!知恵袋とかの方が頼りになるよね。
 今回はその勉強の内容を記録する記事である。あくまでも生活する上で必要な情報、って観点でしか理解してないので、技術的な正確性はありません。特に無線LANの規格周りについては現段階で全く勉強してないので、全部「Wi-Fi」って書いてる。今後必要が出てきたら調べます。

 よくわかんないけど、インターネットに接続するための回線をネット回線って呼んで良いか? で、ネット回線とはっていうとこから始めようと思う。ネット回線には物理的な区分として有線接続タイプ(ケーブルを使うやつ)と無線接続タイプ(電波飛ばすやつ)がある。ただしこれは冒頭で雑談にした、自分のPCにLANケーブルが刺さってるか否かって話じゃなく、もっともっと前段階の、お外の電波がおうちに届くまでのお話。家の外壁までのお話。「ネット回線のうち有線接続タイプのやつ」は固定回線と呼ばれる。無線の方はモバイル回線って俗称がある。これと別に、品質すなわち接続の早さの区分として、ブロードバンド(めちょ早い)・ミドルバンド(中くらい)・ナローバンド(遅い)がある。世の中には光アクセス・ADSL・LTE・WiMAXなどなどたくさんのネット回線の「規格」があるけども、これら2つの区分を組み合わせてどこかしらに分類できる。
 こんな感じか? これ推測だから当てにしないでね。

固定回線モバイル回線
ブロードバンド光アクセス4Gとか5Gとか
ミドルバンドADSL(来年サ終)3G以下の古い世代?
ナローバンドISDN
CATV?
PHS(サ終済)

 Wikipedia見たら底なし沼なので、ざっくりゆる~りイメージできれば良いよね。
 我が家は固定回線だった。居間の壁から線が生えてたから。となるとモバイル回線はこの記事のメインではないので、先にまとめておく。スマホで「モバイルデータ通信」って表示されるやつのこと、これまた冒頭で雑談にしたね。携帯電話の会社が提供してる回線って覚えて差し支えないんじゃないか。キャリア回線。LTEとかWiMAXとかの規格がある。3Gとか4Gとか5Gとかいうのは単に、西暦何年頃開発された規格はまとめて第x世代って呼びましょうねってだけで、1980年頃1G(第一世代)、1990年2G、2000年3G、2010年4G、2020年5Gって括ってるんだって。だけどもちろん時代が進めば技術も上がるので、新しい世代の方が接続が早く、相対的に古い世代はミドルとかナローの扱いになっていく。そのうち6Gも出るらしい。そこら辺に立ってる「基地局」とお手元のスマホ・タブレットとの間で電波が行ったり来たりしてる(詳しくはKDDIの解説ページがわかりやすい)。おうちの中にWi-Fiを飛ばしてネットを使えるようにする手段の一つとして、このモバイル回線を利用する方法がある。モバイルルーター、Yahooで言うところの「ポケットWi-Fi」に、モバイル回線をWi-Fiへ変換してもらおうという作戦だ。「ルーター」ってのは、自分に入ってきたネット回線をWi-Fiにする、つまり拡散して近くにいるみんなに届くようにしてくれる親切な道具。モバイルルーターは基地局から入ってきたモバイル回線を拡散して、近くの人達が(SIMカードのない端末であっても)みんなネットを使えるようにしてくれるってこと。モバイル回線を送受信するためにはSIMカードが必要なので、モバイルルーターにはスマホと同様SIMカードが入ってる。ちなみに、逆にスマホにもモノによってこのモバイルルーター機能が内蔵されてる。これが「テザリング」。テザリングの存在も2020年12月まで知りませんでした! 誰も教えてくれなかったじゃん! みんなどこで覚えたのさ! さらに逆に、スマホと同じで、モバイルルーターは外出先に持っていってもルーターとして使える(「モバイル」はこっちの意味でついてるんだね)。でもこのモバイル回線利用は、固定回線に比べて遅かったり通信できるデータ量が少なく設定されていたりするので、家でめちゃんこYouTube流すぜみたいな人は固定回線の方が品質から見ても料金から見ても良い選択肢になる。
 ……はずなのだけど、なんと「家にネットを引かない場合」でググったら、モバイル回線だけで生活してる人達がわりといる! それもネットを使わないのでなく、一人暮らしでもなく、PC持ってないのでもなく、外出先でネットするのでも何でもなく、もうもうただ単にモバイルルーターかテザリングで乗り切ってるようなのだ。まあ、通信速度の面だけで言ったら理解できるよ。後述するが、我が家は固定回線ながらモバイルルーターと同程度の速度であると判明したからだ。快適に使えてます。これを「遅い」って言うのは、なんか多分すごいネトゲプレイヤーとかなんだと思う。だけど問題は容量の方だ。使い方にだいぶ気を遣う必要があるだろう。安価なりでよろしいってことなのかな。まあ余談である。
 ここまででわかる通り、もしこのモバイル回線でネットを導入するとしたら、やることはたった2つ。①どの回線を使うか・速度や通信量をどんくらいのやつにするか決めて、需要に合ったモバイルルーターとSIMカードのセットをどっかの業者から月額制でレンタル契約します。別途本体代もかかります。②SIMカードを入れたモバイルルーターを起動して、お手元のスマホ・タブレット・PC達にWi-Fiの情報を登録します。以上。物理的には、丸っこいプラスチックの塊が1つ増えるだけである。壁に穴をぶち空けて線を生やすことはない。ここで個人的に大事な発見をした。お金がかかるのは2ヶ所。月ごとの回線利用代と、ルーター本体の代金。「回線をWi-Fiに変換します代」はかからないわけだ。これはルーターそのものの機能だから。つまりもう少し知識があれば、月ごとの回線利用代だけ払ってSIMカードを入手し、ルーター本体は個人的に別で安く買ってこれに挿入する、という選択も取れる。これはあとで書く話に繋がります。

 うちは固定回線なので、メインは固定回線の話。居間の壁から線が生えてると書いたけども、家の外側から見てみると、近くの電柱から私の家までケーブルが引き入れられていて、外壁に刺さっている。だから「回線を引く」って表現するんだね。このよく聞く「引く」ってのも何を指してるかわからなかった。初心者はこういうところでつまずくんだよ…。この固定回線の中の、光アクセスだ。いわゆる光回線。あとで但し書きがつくけど。ここまで後述だのあとで書くだの言ってる件は全部同一の内容です。とにかくここから光回線について勉強したことを記録していく。
 光回線であるってのは、電柱から引かれている回線が「光ファイバーケーブル」であるってこと。これが銅線ケーブルになってて、うち「平衡対ケーブル」(電話回線)なのがADSL、「同軸ケーブル」なのがCATV(現在は要所要所を光ファイバーケーブルに置き換えたハイブリッド形態らしいが)という具合に、物理的に何のケーブルを使っているかという違い。電気が銅線を伝うより光がガラスを貫通する方が早いことを想像すれば理解しやすい。光回線を提供している業者は数が限られる。まず2種類に大別できる。NTTが張り巡らした光回線を使ってる業者と、それ以外。前者はさらに2種類に分けられる。NTT自身と、それ以外。この3種類の回線業者が存在する。NTTが張り巡らした光回線を、NTT自身が提供してるパターンは、字面まんまである。特に説明することがない。利用者はNTTに料金を払って回線を利用する。
 NTTが張り巡らした光回線を、NTT以外の業者が提供しているパターンについて。これは「ダークファイバー系」と総称されている。総称と言っても現状auとNUROの2社しかないんだって。このダークファイバーっていうのは、NTTが予備だか何だかで余分に敷設して、そのまま使っていない光回線のこと。この観点で対比させると、NTTが常用してる光回線はライトファイバーと呼ばれる。この予備、休眠させとくより活用しようぜってことで国が貸し出しを指導して、ビジネスチャンスだとauとNUROが借りることにしたらしい。この場合、料金はauとかNUROとかに払う。NTTには払わない。それから、NTTがどこにも介在していないパターンについて。これは「電力会社系」と呼ばれ、文字通り電力会社が自分ちの電線を活用して光回線を引いたもの。Wikipediaの電力系通信事業者のページがそれ。電力会社に料金を払う。NTTは全国でやってるけどNTT以外の後者2業者は全国規模じゃないので、どっちのサービス提供地域にも入ってない人は、選択すべくもなくNTT一択となる。
 さていずれにしろネットを使うためには、ネット回線を外壁にぶっ刺すだけでなく、その外壁から室内へさらに線を伸ばし、変換機にぶっ刺さないといけない。うん、居間の壁から生えてる線も何かの機械に刺さってる。何を何に変換するかというと、光回線の中を通ってるのは「光信号」であり、スマホやPCが理解できる信号は「デジタル信号」なので、光信号をデジタル信号に変換する。この変換機はONUという。ADSLだったりすると、電話回線の中を通ってるのは「アナログ信号」なので、アナログ信号をデジタル信号に変換する機器に刺すことになる。こっちはモデムという。これらの変換機は回線の(利用者側の)端っこにつけるということで、回線終端装置とも呼ぶ。回線業者の役割はこの回線終端装置を貸し出して完了となる。レンタル代かかる。市販の回線終端装置を自前で用意すれば良くない?と思いきや、残念ながら市販されてないので業者から借りるしかない。おっ、我が家の装置にはNTTって書いてあるぞ。このままだとこれにLANケーブルを刺して1台のPCにネットを使わせることしかできないので、そうでなくルーターを繋げて、そこにLANケーブルを刺すなり飛ばしたWi-Fiに繋ぐなりするということだな。Wi-Fiなしにはネット環境と言えないだろう、現代。

 うんうん、うちはNTTと契約して月額払ってるわけね!となったら家人が契約書を出してきた。「S●ftbank光」。????? NTTは? そしてプロバイダーの概念を知る。ここまで有線/無線は有線にします、電柱から回線を外壁に刺します、居間の壁から生えてる線を終端装置に刺します、とやってきた。これでルーターを繋いでもダメで、ネットを使うためにはもう一段階必要だった。その一仕事をするのがプロバイダー。正確にはInternet Service Providerというので、ISPと略されることもある。ネットを使うためには――例えばお手元のPCでYouTubeを見るためには、お手元のPCっていうオフラインの物質を、オンライン上で「ここに端末があります!」って知らせる必要がある。知らせないとYouTube側が、このPCを認識してくれないから。あっちからの認識も必要だったのかあ。てっきり利用者側が一方的に見てるだけなのかと……あっ、深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを……。「ここに端末があります!」は、オンライン世界の言語に翻訳すると「192.168.1.1」みたいな感じになる。これはIPアドレスという。IPアドレス!? ふっfusianasanのあれか! これは住所と同じで、一つは今述べた端末の在り処をオンライン語で知らせる役割と、もう一つは身分証明の役割を持つ。身分証明できない奴はネットを使えないのだ。PCだろうがスマホだろうが、ネットをしてるときは必ずIPアドレスが割り当てられている。この割り当てこそがプロバイダーの仕事。但しIPアドレスと言うのは買い切りではないので、月額制で契約することになる。モバイル回線の場合は、SIMカード(と、モバイルルーター)を貸し出してる業者がプロバイダーを兼ねている。ということで、有線と決めます、電柱から回線を外壁に刺します、居間の壁から生えてる線を終端装置に刺します、IPアドレスを割り当ててもらいます、でやっとネットが使えるようになる。やったーーー!!! 疲れたね!! 結局契約ってどうなってんの? 回線業者とプロバイダーの2社に払うわけよね? 回線業者はNTT、プロバイダーは…Softb●nk?
 この推理は正しかったのだけど、これは原始的な形態で、今はプロバイダーが回線業者との契約に当たることもひっくるめて担当する、一体型の販売が増えてるんだって。S●ftbank光は一体型販売の業者だった。だからうちはNTTに料金を払わず、ソフバンとだけ契約し、ソフバンにだけ支払いが生じてるというわけ。逆に上で触れたダークファイバー系・電力会社系の回線業者は、回線業者側がプロバイダーもやってる。うーん、あくまでも契約窓口であるソフバンには光回線のメンテができないだろうから、技術的な安心感で言ったら、 回⊂プ よりは 回⊃プ であるダークファイバー/電力会社系なのかな。実質あんま変わらんか。まあ良し、これで契約の全貌が明らかになった!

 もう6,000字くらい書いてるけどまだ終われない。改めて物理的な部分と契約内容を照合。うん……なんか機械のレンタル代かかってんだけど。そんで謎のオプション代もかかってんだけど。確かに、終端装置からまた線が出てて、ソフバンの社名が入った白い機械に繋がってる。これルーターか? あっ、もしかして「回線をWi-Fiに変換します代」がかかるのか、そしてそのためにルーターをレンタルするお金もかかるのか!? でも、これら2つの追加料金によって総額が基本料金の1.4倍になってる。!? 世知辛! いやいや、あれ、私以前家人と一緒にコ●マだかノジ●だかでBUFFAL●のルーター買ったよな……? 何これ?
 一般的にWi-Fiを飛ばすにはオプション代が必要なのかもしれないとこの時点では誤解していたものの、いかんせんカネかかりすぎでは?ということで家族に確認。すると……契約当時は知識がなくてソフバンに言われるがままそれらのオプションをつけてしまった、今だったら断るのに!とのこと。結局、自前ルーターでWi-Fi飛ばせるのにソフバンからルーター借りてレンタル代を払い、そのソフバンのルーターでWi-Fiを飛ばすには「回線をWi-Fiに変換しますオプション」が必要なので契約し、オプション代も支払ってたという状況だった。ええぇぇ。。。知ってたんか。なぜ解約しなかった。。。家人はもともとこういう家計の管理がとても苦手なのに、管理者を代わろうとしても他人にやらせたがらず機嫌を損ねるのでこれまで任せることになってしまったという経緯があり(これ別の家人にも同じ特徴があるんだけど、余所の家族にもあるのか知りたい)、本題から逸れるので割愛するが、まあとにかくそれと知りながらさっさと勉強しなかった私の落ち度です。全てわたしの所為です。すべわた
 ということでここからソフバンの謎追加料金についての調査が始まる。My Softb●nkという契約者ページで内容を確認すると、まずわざわざルーターをレンタルしてた大義名分が、IPv6なるものを使うための手段。ま、また新しい単語出てきた……くぅ~疲れましたw IPv6について調べる。なんか速いんだって。なんか速くなりますよ、という誘い文句でレンタルに至ったわけだな。もうちょっと知りたい…。IPは、先に述べたIPアドレスのIP。Internet Protocolの頭文字。インターネットの「プロトコル」、すなわち決まり事。それのversion 6。上でIPアドレスの説明をした際に「『ここに端末があります!』は、オンライン世界の言語に翻訳すると『192.168.1.1』みたいな感じになる。」と述べたが、実はこれはとある決まり事に則ってこのような構成になっている。この決まり事こそがIPであり、もっというとIPv4(version 4)だ。すごく大雑把にまとめれば、「オンライン語の住所は『3桁.3桁.1桁.1桁』でよろ」っていう決まりごとがIPv4。でも、世界中でネットが普及したからこの構成の数字の組み合わせが枯渇しつつあると。そこでIPv6という、「2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0001」みたいなとんでもない桁の組み合わせをアドレスにしましょうっていう新versionの決まり事を作ったんだって。「オンライン語の住所は新たに『4桁:4桁:4桁:4桁:4桁:4桁:4桁:4桁』にするわ」ということ。以前、郵便番号の枠が5個しかない茶封筒を家で発見し、仰天して母に聞きに行ったことを思い出す。えっIPv5は? 研究用に使われたので一般開放されてないらしい。ついでにIPv1~3は存在せず、v4が初代らしい。そこは置いといて……。オンライン語の住所であるIPアドレスは、我々の端末だけでなく、Webサイトも持っている。「ここに端末があります!」に加え、「ここにWebサイトがあります!」というお知らせも日々なされているということ。上で挙げたお手元のPCとYouTubeとの関係においては、お互いにお互いのIPアドレスを認識し合っているというわけだ。自分の端末のIPアドレスは設定画面とかから確認できるけど、WebサイトのIPアドレスって何…? 実は、WebサイトのIPアドレスをヒト語に翻訳したのがURLだ! https://www! へー! そんなことも知らずにWordPressでブログ作ってた! なので、適当にググればURLをIPアドレスに戻す手段やツールが公開されているのを利用することができる。
 これらIPアドレスの割り当てが、実際ネットを使う上でどんな風に関係しているのか。枯渇問題はIPv6の開発経緯であるだけなので、接続速度には関係ない。別にv4が枯渇したからって既存のv4サイトが消滅するわけじゃない。関係あるのはネットの普及と技術的な部分。世の中のWebサイトはまだIPv4のIPアドレスで公開されているものがほとんどであり、IPv6のIPアドレスを持つ(というか、IPv4で作られたけどIPv6にも対応させた)サイトは数えるほどしかない。v4のサイトを見るには自分の端末もv4でないと、v6のサイトを見るには自分もv6でないといけない。これを前提知識として、まず、ネットの普及。ネットを使える端末が一家に一台の時代は遠く過ぎ去り、もはや一人に二台みたいな世界になってる。PCなくてもゲーム機とかさ。利用者がとても多い。なので、混む。どこが混むかというのが、次の技術的な部分。v4同士を繋ぐときは、PPPoEという接続方式を使う。これは、上で「利用者側の回線の端っこ」として回線終端装置(ONU/モデム)の説明をしたけども、今度は「回線業者側の回線の端っこ」が論点になってくる。PPPoE方式というのは、回線業者側の回線の端っこに網終端装置というものをくっつける方式。あ、あみ? いやモウか? いずれにしろなんと直接的な。またの名をネットワーク終端装置。アルファベットだとNTEという。ただし、例えばONUとの対比で言えば、NTE:ONU=1:1ではない。1:いっぱい。どのくらいかは知らんが、タコ足とか箒みたいなイメージで、NTEは分岐の大元に位置する。でもNTEは電話回線時代からの古い装置なので、これだけの利用者増を受け入れられる能力がない。たくさんのアクセスを一度にさばききれないから、順番待ちにする。それで接続に時間が掛かる。これが混むということ。一方、v6同士を繋ぐときは、従来のPPPoEに加え、IPoEという新しい方式を使うことができる。IPoEはNTEを使わず、代わりに最初から光回線・大容量通信を前提に設計された、GWRという新しい装置を使う。なのでアクセス渋滞が起きづらく、結果、接続速度が速くなるのだそうな。PPPoE「に加え」と書いた通り、v6同士をPPPoEで繋ぐこともできる。でもこれではv4と同様にアクセス渋滞が起きる。つまり、「IPv6なら早い」ではないことに注意。ちなみに、「NTTは企業規模がでかいので、利用者やプロバイダーの要望にいちいち応じてNTEを増やすことはできないため、NTTの回線を借りてるプロバイダーではアクセス渋滞が起きがちだが、電力会社は自前の回線なので小回りを利かせてばかすかNTEを増設でき、結果NTTよりも快適な接続速度を保つことができている」という意見も見ました。なるほど。
 しかし、先に述べたがIPv6対応のサイトはまだほとんどない。じゃあ何を以てソフバンは営業をかけてきたのかといえば、今、ソフバンに限らずプロバイダー各社は「IPv4 over IPv6」という技術を売りにしている。これは、v6のIPアドレスを割り当ててあげます、さらにv4同士でもIPoEで接続させてあげますというもの。つまり、行きたいサイトが(まだ数少ない)v6なら自動的に自分の端末をv6にして、かつIPoEで繋いでくれるのはもちろんのこと、行きたいサイトが(ほとんどの場合の)v4なら自動的に自分の端末をv4にして、でもこちらもIPoEで繋いでくれる。これは比較的新しい技術なので、ほとんどのプロバイダーでオプション扱いだけど、その契約料は有料だったり無料だったりする。そして、自分の端末にv6のIPアドレスを割り振ってもらうためには、利用者としてはv6対応のルーターを用意する必要があるのだけど、そのルーターはプロバイダーの指定すなわち強制レンタルだったり、市販のでもOKだったりする。レンタルも有料だったり無料だったりする。ルーターは強制有料レンタルだったのです! ソフバンにおいてIPv6のIPアドレスを使うためには、ソフバンのルーターをレンタルしなければならず、B●FFALOのは使えないと。だがまだ解決していない。オプション代の方は無料だったのである! え!? じゃあこのオプション代は何なの!?
 すでに述べたが、それは「回線をWi-Fiに変換しますオプション」代だった。こうしていろいろわかってからだと、衝撃……。IPv4 over IPv6を使うためには、タダではWi-Fiを飛ばせないルーターを有料で借りなければならないだと? 厳密にはあの白い機械はルーターではないので、「白い機械をルーター化しますオプション」代ということになる。

 うーん、それで料金1.4倍? IPv4 over IPv6ってそんなに良いものなの? うちの需要に合った契約内容の中では基本料金が一番安いので、他社への乗り換えはしたくない。オプションやめられんかな…。ググる。どうやらこのオプションをやめて、普通にBUFFAL●のルーターを活用することもできるらしい。や、やめてええか……? 5chを覗く。同じ考えの人が相談してる。ぶっ叩かれてる。IPoEを捨ててみろ、夜間帯速度低下で痛い目見たら良い! ふむ。21時くらいに自分の速度を測ってみる。下り40Mbps。上り25Mbps。これってどうなの? ググる。下り30Mbpsあれば、普通の用途なら快適にネットできます。うん、体感と一緒! やっぱりIPoEのお陰なのかな…。再び5chへ、みんなの速度報告を見てみる。IPoEの人、有線で下り700Mbps、上り300Mbps。夜間速度低下で30Mbps。ん? は? 何これ。ケタが違うじゃん。彼らの言う遅い速度が我が家の平均ってことか? 設定確認したけど、ちゃんとIPv6になってる。何…? あとは何を考えれば良いの……?
 疲労困憊ながらもあれこれと考え直し、見直し、検索し、やっと辿り着いたのがこの記事最後の話題。うん、もう10,000字以上書いてるけどあとちょっと続きます。それは「VDSL」。VDSLというのは、賃貸バレしますけど、集合住宅の「共用部分」(どこよ。まあ、言いたいことはわかる)までは光回線だけど、そこでONUをつけて光回線はお終いにし、ONUから各部屋へは電話回線を伸ばしている設備のこと。【電線―[光回線]―共用部分のONU-[電話回線]-各部屋のVDSLモデム―[LANケーブル]-ルーター―[Wi-Fi]―端末】というのが、我が家の接続形態の正体だった。最終段階で電話回線、つまり銅線になるので、接続速度も銅線相当になる。それが40Mbps。モバイルルーター並み。光じゃねえじゃん。不動産屋よ。契約書に「光ファイバー」って明記してあんじゃん。これは別に詐欺でも何でもないらしいが、業界のモラル~~~って感じですよね。我が家の回線終端装置、ONUじゃなかった。VDSLモデムってやつだった。VDSLについては、ここまでたくさん検索した中ですでに目にしていた。でも我が家には当てはまらないと思っていた。我が家は完全な光回線だと思っていたのだ。だってVDSLは電話回線なんでしょ! うちS●ftbank「光」だし! 線が刺さってるのONUっぽいし! ただし、よくよく見ればONUとは形が違うと早い段階でわかったはずなのだ。どうしてよく観察せず、最後の最後までONUだと思ってたかわかる? うちのモデムが黒かったからだよ! ネットで出てくるVDSLモデムのイメージ図のほとんどが、白だったから! 初心者はこういうところでつまずくんだってば…。
 VDSLはもう土地そのものだと思うしかない。内陸県がどう足掻こうと海を隣接させることはできないのと同じで、VDSLの集合住宅に住んだらどう足掻こうと完全な光アクセスは不可能だ。自分の部屋にだけ光回線伸ばす工事なんか、許可されるわけないし。でも、ということは、何の未練もなくオプション解約できるね。めでたしめでたし! 過去のドブ金については、ここで記事ネタとして昇華することで成仏してもらうとしよう……。嗚呼…。

 以上、ということで現在無事オプション解約し、白い機械も返却し、自前のBUFFAL●ルーターで相変わらず40Mbpsでやっている。TeamsもZOOMも問題なし! YouTubeもプロセカもツイステも遅延なし! ネトゲはやらないので不満なし! かなり高くついたが、良い勉強になった。って思わないとやってらんない。そういえば、この記事を書くまでMbpsのMbはメガバイトだと勘違いしてました。30メガバイトの動画を1秒でダウンロードできるってこと? 体感と違わない? って思ってました。メガビット(Mb)だそうです。30メガバイト(MB)の動画を30Mbpsでダウンロードしたら、8秒くらいかかるってこと。大文字小文字で大違いだね。SEの道標さんの「【図解】GB/sとGbpsの変換, TBとTiBの変換, 違いについて」という記事で勉強させていただきました。
 あー疲れた!! おしまい!

-暮らし


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